■為替の優位性とは?

FXトレードをすでにやっている人なら、取引中にチャートを見ていて、次のような雰囲気を感じたことがないでしょうか?

"下がりにくいなあ、上がりにくいなあ"と。

下がりにくい相場とは、下値に壁となるオーダーがたくさん集まっているから下がりにくくなっています。

こういう場面では、ロングでポジションを取ると勝ちやすいでしょう。
逆に上がりにくい相場は、上値を抑えるオーダーがいっぱいのしかかっている相場です。

このような場面では、ショートポジションが勝ちやすいでしょう。

このように、相場の中に一定の傾向(方向性や規則性)が存在する環境を利用することを、"相場の優位性を利用する"といいます。

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あらかじめ上がりにくい相場、下がりにくい相場を察知しておけば、押し目買い、戻り売りができます。
チャートの動きに釣られてしまっている他のトレーダーよりも、一歩先を読んだトレードができるようになるでしょう。

さて、そんな"優位性"についてのお話でしたが、もうちょっと深堀りします。
優位性のある"勝ちやすい相場"は、一体どんな条件下で発生するのでしょうか?

私の経験で気がついたその"条件"を、いくつか紹介したいと思います。
■為替相場に優位性が生まれる条件

為替が下がりにくくなるには、下がりにくくなるだけの原因があります。
また、上がりにくくなるのにも、上がりにくくなるだけの原因があるものです。

トレンド相場を形成する"原因(条件)"、それに着目してみましょう。


【市場参加者が"材料"に注目する】

為替に影響がありそうな材料を監視していれば、いち早く相場の値動きを察知できます。
ここでいう材料とは、相場に影響を与える情報のことです。

例えば、政府の金利政策なんかは、変更があればダイレクトに為替相場を動かす要因になります。
発表で、政策金利が予想に反した内容であった場合、為替相場かどちらかに大きく動く可能性があるでしょう。

材料を監視することは、チャートパターンを監視することと同じぐらい大事なんです。

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【意外性のあるサプライズの発生】

市場予想を裏切る"材料"は、為替レートを大きく変動させます。
一旦逆行してから急激に失速して折り返す動きは、たくさんのロスカットを巻き込みますので、チャートの節目を超えるまで、勢いの強いトレンドが継続する傾向があります。

"だまし"というチャートパターン。
だましのシグナルは、重要な材料の発生と合わせると、当たりやすいですね。
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・材料のサプライズ
・チャートでのだましパターン発生

この2つの現象を見つけたら、トレンドの方向にエントリーするという戦法。
長期足を監視して、トレンドが確定してから押し目買いで入るのがベスト。
ところで、意外性のあるサプライズといえば、トランプ氏の大統領就任は、我々が今年最も注目したニュースでした。

当時、トランプ氏が大統領選に勝った場合の予想が"円高"でしたが、実際にはドル円は大きく円安に動いていくことに。
ショートポジション勢の買戻しも、上昇の勢いを助けたのでしょう。

市場の注目度が高い材料には、為替を動かす大きなエネルギーがあります。
そこには優位性が隠れている可能性が高いので、相場を注意深く監視して見てください。

【チャートポイントをブレイクする】

例えば、年初来の高値・安値は、市場参加者の多くが注目する為替レートの重要な節目です。
この節目を超えてきて、ある程度の期間レートが戻ってこない場合は、そっち方向へのトレンドが発生している可能性を考えられます。

これをブレイクアウトといいます。

チャートの重要な節目は、一旦抜けても反対ポジション勢に抑えられてしまい、失速して反転してくることが多いのですが、まれに抜けてもがっちりレートがその位置でキープされることがあります。

こういう場面では、逆張りをするのではなく、その動きについていった方が勝ちやすいです。

ただし、チャートだけ見ていたのでは、なかなか勝てません。
相場を動かす材料があるかどうか?また、"強気"か"弱気"かの判断の上、チャートを活用してください。

日経平均やアメリカのダウ、原油、金などの先物など、海外の市場動向を全体的にぼんやり監視してみてください。

「ああ、最近、世の中の雰囲気が弱気だな」と感じられたら、為替も上値が思い展開になるかもしれません。

「どこもかしこも上がってんじゃん!」と感じるようであれば、市場はリスクオンの状態なので、通貨ペアによっては上がっていくでしょう。

通貨ペアのチャートだけ見ても市場心理は掴めません。
スマホのアプリにも、世界のマーケットの動向を監視できるアプリがありますので、それを利用しつつ通貨ペアの値動きに合わせて注視してみてください。
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★まとめ
今回の解説をまとめると、

・優位性とは、相場の傾向、規則性である。
・為替に影響のある材料を注視する。
・相場を動かす材料+チャートパターンで勝率を上げる

という内容でした。
長くなりましたが、少しでも参考になれば幸いです。